病院には色々な人(患者さん)がやってくる

病院で働く、来ている人たちのメディカルブログ

これは、大き目の総合病院に勤める友人から聞いたお話です。

3011924.jpg


(1)トランスジェンダー
当時は、まだネットでの予約などない時代だったので、外来受診後の次回予約や電話での予約業務などをするようなころのことです。
その患者さんは、髪が長くて身長と胸が大きい「女性」でした。
外来受診後の次回の予約を取得しに来たのですが驚いたことに顔を見るとあきらかに40代の「男性」でした。ブラウスにスカート、低めのヒールをはいていたので、後ろからみると「女性」なのですが顔はどう見ても「男性」だったので、ご本人に分からない様に診察カードや計算シートを見ましたが性別は「男性」で名前も「ツトム」や「ヒロシ」のような名前。
今でこそ「マツコ・デラックス」さんや「IKKO」さんなど芸能界でもトランスジェンダーの方が活躍され、同性婚などについても議論がされる時代がですが、その当時は、まだまだ認識的に遅れていた時代だったため、友人もそして現場の病院も大変驚いていたそうです。
そして一番困ったのが「どう対応すべきなのか?」だったそうです。
これに関しては、今でも議論が多いと思いますが、当時の上司の方がご本人にどうしてほしいのかを直接聞いたそうです。(今だとあり得ない???)
ご本人として、普通に「女性」として接してほしいとの要望があり、一応、その要望に近い形で対応したそうです。但し、1点、トイレだけは他の患者さんのこともあり「男性用」の使用をお願いしたそうです。

(2)青ペン注意報
その患者さんは、青ペンでメモを取っていると「青ペンは嫌い!」と感情的になったり、処方箋に皺や折れがあるものしか受け取らなかったりと受付としては非常に神経を使うお子様だったそうです。
受付としては、お子様も大変かもしれませんが、親御さんも大変だったそうです。
ちょうど、そのような症状に対する認識が「癇の強い子」という認識から「病気」としてとらえる方向になっていったころで、薬での治療が模索されていた時期の頃です。
今では専門的な治療なども進んできていますが、当時は、まだまだ大変な時期でしたが、親御さんの努力のかいもあり、数年経つうちに徐々に行動に落ち着きが出てきそうです。

(3)いいまつがい、ききまつがい
その後輩は、とりあえず「おっちょこちょい」だったそうです。
予約取得の電話を受けていて○○(苗字)おさむ(名前)さんという方の名前を確認する際に
「○○ おさる様ですね!」
と言っていたので、隣で聞いていた友人は、「お猿??」と思ったのですが
「すいません!おさむ様ですね!」
と電話口で謝罪していたそうです。あとで後輩に聞くと相手も怒らず笑っていたそうなので笑い話で済んだのですが、この後輩は、「〇〇ですねー」と言おうとして「〇〇デスナー」と言ってみたりと、内科外来のレセプト点検をしていて、「下部内視鏡検査」について話していたのですが、後輩が下部内視鏡検査を「げぶないしきょう」と言ってみたりとおっちょこちょいなのか天然なのかわからなったそうです。
こんな後輩ですが、なぜか「お金」だけにはしっかりとしており、駅前なので見かける「手相見せて下さい。」攻撃や友人からの謎の「鍋買え」攻撃など、一見ほいほい買ってしまいそうですが、その場で数名の方に説得されても決して購入はしないそうです。
理由を聞いたところ
「効果があるか不明な物や料理しないのに鍋と言われても。」
となぜかそこだけリアリストだったのには驚いたそうです。

病院という場所は、人であれば、病気にもなりケガもするかもしれないため、いろいろな人がやってくる場所です。
一番象徴的な場所は、受付なので、その場に来る人、受け付ける人にはいろいろなタイプの方がやってくるようです。

カテゴリー:

« 病院の裏方    医療技術の進歩 »
Copyright © 2016 病院の人々 . All rights reserved