病院には「医師」「看護師」「技師」といった純粋に医療行為を行う仕事とその仕事の支援する裏方の仕事があります。
友人は、健康診断や、ガンと診断された患者さんのMRやCT検査などを行う医療機関で、院長はじめ、常勤、非常勤ドクター30名ほどのスケジュール管理、毎月のシフト作成、電話応対、来客対応、お礼状を含む文書作成、それ以外に付随する庶務業務を担う秘書を行っています。
お分かりあと思いますが、裏方の大変な部分というのは、管理する医師、看護師や技師などという人たちの気持ちをうまく酌むことなのです。
この様な仕事というのは、どうしてもプレッシャーやストレスが溜まりやすく一癖二癖ある人たちが集まりやすいというか、人を助けたいと思うとそれに邁進して回りが見えなくなりがちです。
患者さんとしては、とてもいいことなのですが、一緒に仕事をしているとやっぱり大変で、お互いがそれぞれ「命」を預かっているので、言わなかったことで後悔するような結果になるくらいなら、言ってやってみて結果が良ければいいじゃないかと考えがちになったとしても致したかないと思うのです。
友人は、最初は戸惑いや葛藤もあったようですが、人となりがわかってくると付き合いやすくなるようです。
施設内で検査中、急に容態が悪くなった患者がいたのでどうすべきか、という連絡が看護師から入り、要請を受けた院長が患者さんの元に向かいました。
駆けつけた院長がその患者さんをみて
「今すぐ医者を呼べ!」
と一言。救急車を呼んで病院搬送となったのですが、院長の一言に周囲の人間は「?」。
きっと、「あなたも医者でしょう?」と皆思ったのですが、看護師や職員は、すぐに救急車を手配していました。
後で院長に尋ねると、
「久しぶりに現場に出たものの、自分の専門外の患者であったため、専門の医者に見てもらうのがベストだろうと考えていた。」
とのこと。また、患者さんが急変するかもしれないという思いもあり、上記の発言になったそうです。
これまで百戦錬磨で長い経験を持ち、しかも院長の立場でそんな発言をするのかと驚きつつ、立場のある人であっても人命がかかると自分のプライドよりも優先することに驚いたそうです。
その他にも
(1)医師も社会人
夏場に若い男性医師が暑かったからと、タンクトップを着て出勤してきたケース。
見かねた管理職が、患者の前に出るのだから少し服装にも気をつけるよう注意したところ、男性医師は、
「白衣を着るし、ボタンを閉じるから見えないから大丈夫と思った。」
と発言し、謝罪したそうですが、私としては、さすが、ドクター効率を考えればそうなのですが、それを実際に実行する行動力と納得した場合の手のひら返しが素晴らしいと思いました。
(2)医師の不勉強
朝から咳をしていた女性医師がいたので、当日は現場でなく内勤を命じられたのですが、マスクもせず咳はひどくなるばかりだったので、見かねた院長が、今日は帰って休むよう指示しましたが、女性医師は
「咳はしているが、人に向けてしているわけではないので伝染ことはなく、私の咳は夕方になれば静まるので、帰る必要はないです。」
と言い切りましたが、それに対して院長は、
「それが医者である発言ですか?信じられません!」
と言い、業務命令として帰宅を命じたそうです。
医師としては、ありえないのですが、どうも信じた物をなかなか変更できないタイプの方だった様ですが、さすがに飛沫感染に関してはちゃんと勉強してほしい事案でした。
医師といっても人間ですので、欠点も失敗もあります。
診療での失敗はいただけませんが、生活の中であればそれも愛嬌なんだと思います。
そして、この様な難しい方々をうまく誘導(?)して気持ちよく仕事環境をつくる友人には脱帽します。
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